○東京都震災対策条例
平成一二年一二月二二日
条例第二〇二号
東京都震災対策条例を公布する。
東京都震災対策条例
東京都震災予防条例(昭和四十六年東京都条例第百二十一号)の全部を改正する。
目次
前文
第一章 総則
第一節 目的(第一条)
第二節 知事の責務(第二条―第七条)
第三節 都民の責務(第八条)
第四節 事業者の責務(第九条―第十一条)
第二章 予防対策
第一節 震災に関する研究、公表等(第十二条)
第二節 防災都市づくりの推進(第十三条)
第三節 都市施設及び建築物等の安全の確保(第十四条―第二十三条)
第四節 火災の防止等(第二十四条―第三十一条)
第五節 防災広報及び防災教育(第三十二条・第三十三条)
第六節 防災組織(第三十四条―第三十七条)
第七節 地域における相互支援ネットワークづくり(第三十八条)
第八節 ボランティアへの支援(第三十九条)
第九節 要援護者に対する施策(第四十条)
第十節 防災訓練(第四十一条・第四十二条)
第十一節 都民等の意見(第四十三条)
第三章 応急対策
第一節 応急体制等の整備(第四十四条―第四十六条)
第二節 避難(第四十七条―第五十一条)
第三節 救出及び救助の活動拠点等の確保(第五十二条)
第四節 帰宅困難者対策(第五十三条・第五十四条)
第四章 復興対策
第一節 震災復興の推進(第五十五条・第五十六条)
第二節 地域協働復興(第五十七条・第五十八条)
第五章 委任(第五十九条)
附則
地震を予知することが未だ困難な現在、阪神・淡路大震災をはじめとする都市型地震の経験は、改めて地震発生直後の危険性と不断の危機管理の重要性を、行政はもとより多くの人々に知らしめたところである。
地震による災害から一人でも多くの生命及び貴重な財産を守るためには、まず第一に「自らの生命は自らが守る」という自己責任原則による自助の考え方、第二に他人を助けることのできる都民の地域における助け合いによって「自分たちのまちは自分たちで守る」という共助の考え方、この二つの理念に立つ都民と公助の役割を果たす行政とが、それぞれの責務と役割を明らかにした上で、連携を図っていくことが欠かせない。
東京都は、全国に先駆けて東京都震災予防条例を制定し、予防対策重視の視点から地震に強いまちづくりを進め、行政主導の下で震災を未然に防止し、最小限にとどめることを目指してきた。
今後は、この取組を一層進めるとともに、危機管理に重点を置いた応急対策及び復興対策をも視野に入れた総合的震災対策の体系を構築し、震災対策の充実及び強化に努めていくことが極めて重要である。
東京は、多くの都民の生活の場であるとともに、日本の首都として政治、経済、文化等の中枢機能が集中している世界でも有数の大都市である。地震による被害の影響は国内にとどまらず、全世界に及ぶものであり、地震による災害から東京を守ることは、行政に課せられた重大な責務である。
震災対策の推進に当たっては、区市町村が基礎的自治体として第一義的責任と役割を果たすものである。その上で、広域的役割を担う東京都が区市町村及び国と一体となって、都民と連携し、都民や東京に集う多くの人々の生命及び財産を守り、首都東京の機能を維持するという決意を表明するとともに、総合的震災対策の推進の指針を示すため、この条例を制定する。
第一章 総則
第一節 目的
第一条 この条例は、地震による災害(以下「震災」という。)に関する予防、応急及び復興に係る対策(以下「震災対策」という。)に関し、都民、事業者及び東京都(以下「都」という。)の責務を明らかにし、必要な体制を確立するとともに、予防、応急及び復興に関する施策の基本的な事項を定めることにより、震災対策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の都民の生命、身体及び財産を震災から保護することを目的とする。
第二節 知事の責務
(基本的責務)
第二条 知事は、震災対策のあらゆる施策を通じて、都民の生命、身体及び財産を震災から保護し、その安全を確保するとともに、震災後の都民生活の再建及び安定並びに都市の復興を図るため、最大の努力を払わなければならない。
2 前項の目的を達成するため、知事は、震災対策に関する事業(以下「震災対策事業」という。)の計画(以下「震災対策事業計画」という。)を策定し、その推進を図らなければならない。
3 震災対策事業計画の策定に当たっては、都民、事業者及びボランティア(以下「都民等」という。)、第三十四条から第三十六条までの防災組織並びに第五十八条第一項の復興市民組織の意見を聴くよう努めなければならない。
(平一五条例一二四・一部改正)
(都民及び事業者に対する指導等)
第三条 知事は、震災対策事業計画の策定及び実施に当たっては、都民及び事業者の協力を求めるとともに、都民及び事業者が自主的に行う震災対策活動に対し、積極的に指導、助言、支援及び協力を行わなければならない。
(ボランティアに対する支援)
第四条 知事は、ボランティアが自主的に行う震災対策活動に対し、積極的に支援及び協力を行わなければならない。
(都民等への助成)
第五条 知事は、都民等が行う震災対策活動に対して、必要な助成を行うことができる。
(区市町村との連絡調整及び助成)
第六条 知事は、震災対策事業の円滑な実施を図るため、関係する特別区及び市町村(以下「区市町村」という。)との連絡調整並びに区市町村が実施する震災対策事業に対する支援及び協力を行わなければならない。
2 知事は、区市町村が実施する震災対策事業に対し、必要な助成を行うことができる。
(協力要請)
第七条 知事は、震災対策事業計画の策定及び実施に当たり、他の地方公共団体その他の公共的団体等の協力が必要と認められるときは、当該公共的団体等に対して協力を要請し、又は他の地方公共団体等から協力の要請があったときは、これに応じなければならない。
第三節 都民の責務
第八条 都民は、震災を防止するため、自己の安全の確保に努めるとともに、相互に協力し、都民全体の生命、身体及び財産の安全の確保に努めなければならない。
2 都民は、次に掲げる事項について、自ら震災に備える手段を講ずるよう努めなければならない。
一 建築物その他の工作物の耐震性及び耐火性の確保
二 家具の転倒防止
三 出火の防止
四 初期消火に必要な用具の準備
五 飲料水及び食糧の確保
六 避難の経路、場所及び方法についての確認
3 都民は、震災後の都民生活の再建及び安定並びに都市の復興を図るため、地域社会を支える一員としての責任を自覚し、第五十七条の地域協働復興に対する理解を深めるとともに、震災後においては、相互に協力して自らの生活の再建及び居住する地域の復興に努めなければならない。
4 都民は、知事その他の行政機関が実施する震災対策事業に協力するとともに、自発的に震災対策活動に参加する等震災対策に寄与するよう努めなければならない。
(平一五条例一二四・一部改正)
第四節 事業者の責務
(基本的責務)
第九条 事業者は、知事その他の行政機関が実施する震災対策事業及び都民が行う第五十七条の地域協働復興に関する活動に協力するとともに、事業活動に当たっては、その社会的責任を自覚し、震災の防止並びに震災後の都民生活の再建及び安定並びに都市の復興を図るため、最大の努力を払わなければならない。
2 事業者は、その事業活動に関して震災を防止するため、事業所に来所する顧客、従業者等及び事業所の周辺地域における住民(以下「周辺住民」という。)並びにその管理する施設及び設備について、その安全の確保に努めなければならない。
3 事業者は、その管理する事業所の周辺地域における震災を最小限にとどめるため、周辺住民に対する震災対策活動の実施等、周辺住民等との連携及び協力に努めなければならない。
(平一五条例一二四・一部改正)
(事業所防災計画の作成)
第十条 事業者は、その事業活動に関して震災を防止するため、都及び区市町村が作成する地域防災計画を基準として、事業所単位の防災計画(以下「事業所防災計画」という。)を作成しなければならない。
(事業所防災計画の届出)
第十一条 都市ガス、電気、通信その他防災対策上重要な施設として知事が指定する施設を管理する事業者は、事業所防災計画を作成したときは、速やかに知事に届け出なければならない。
第二章 予防対策
第一節 震災に関する研究、公表等
第十二条 知事は、震災の発生原因及び発生状況、地域の危険度その他震災に関する事項について、科学的、総合的に調査及び研究を行うとともに、防災科学技術の開発に努めなければならない。
2 都は、耐震性の調査及び研究に資するため、都が設置する建築物その他の工作物のうち、特に必要と認める工作物に、強震計を設置しなければならない。
3 知事は、第一項の調査、研究及び技術の開発の成果を、積極的に震災対策に反映させるとともに、都民に公表しなければならない。
4 知事は、前項に規定するもののほか、震災対策事業計画その他震災対策に関する情報を積極的に公表するよう努めなければならない。
第二節 防災都市づくりの推進
第十三条 知事は、防災都市づくり(震災を予防し、震災が発生した場合における被害の拡大を防ぐため、建築物及び都市施設(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。以下同じ。)等について耐震性及び耐火性を確保する措置その他都市構造の改善に関する措置をいう。以下この条において同じ。)を推進するため、防災都市づくりに関する計画を策定しなければならない。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 防災都市づくりに関する施策の指針
二 地域特性に応じた整備の方針及び整備地域の指定
三 重点整備地域(防災都市づくりに資する事業を重層的かつ集中的に実施する地域をいう。)等の指定
3 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力して第一項の計画に基づく事業の推進に努めなければならない。
第三節 都市施設及び建築物等の安全の確保
(都市施設等の耐震性等の確保)
第十四条 知事は、震災を未然に防止し、震災が発生した場合における被害の拡大を防止するため、都市施設等の耐震性及び耐火性の確保に努めなければならない。
(一般建築物の耐震性等の確保)
第十五条 知事は、一般建築物(次条の特殊建築物等以外の建築物をいう。)の耐震性及び耐火性を確保するため、適切な指導を行うとともに、防災上の相談に応じ、必要と認めるときは、技術面からの支援を行うよう努めなければならない。
(特殊建築物等の耐震性等の確保)
第十六条 知事は、特殊建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)に規定する特殊建築物をいう。以下同じ。)その他知事が必要と認める建築物及び地下街(消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)に規定する地下街をいう。)の耐震性及び耐火性を確保するため、特に知事が指定するものについて、定期的に検査を行い、若しくは当事者をして行わせ、又は必要があると認めるときは、そのものの改善について助言し、若しくは勧告することができる。
(重要建築物の耐震性等の強化)
第十七条 知事は、次に掲げる防災対策上特に重要な建築物について、耐震性及び耐火性の強化に努め、又は当事者をして努めさせなければならない。
一 震災時に消火、避難誘導及び情報伝達等の防災業務の中心となる消防署、警察署その他の官公庁建築物
二 震災時に緊急の救護所又は被災者の一時受入施設となる病院、学校その他これらに準ずる建築物
(公共施設等の安全の確保)
第十八条 知事は、その管理する道路、公園、鉄道、橋りょう、港湾その他の公共施設及びこれらに附属する施設の耐震性及び耐火性を強化するとともに、定期的に検査を行い、それらの安全の確保に努めなければならない。
2 前項の規定は、知事が管理する河川及び海岸に設置する施設について準用する。
(都市ガス、電気、水道施設等の安全の確保)
第十九条 都市ガス、電気、上下水道、通信その他防災対策上重要な施設の管理者は、当該施設の安全の確保に努めなければならない。
2 知事は、前項の施設の安全を確保するため必要があると認めるときは、当該施設を収容する共同溝の設置に努めなければならない。この場合において、知事は、特に耐震性について配慮しなければならない。
(危険物の落下防止)
第二十条 知事は、地震により破損し、落下するおそれのある中高層建築物の窓ガラス等落下危険物の落下を防止するため、その安全性について調査し、研究し、並びに防災上安全な基準を定めるとともに、安全の確保及び改修について指導を行うよう努めなければならない。
(宅地造成地の安全の確保)
第二十一条 知事は、宅地造成地の地震に対する安全性について、調査し、研究し、及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
(宅地造成地の検査)
第二十二条 知事は、地震に対して特に危険な宅地造成地については、宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)の定めるところにより検査し、必要があると認めるときは、その改善について、助言し、勧告し、又は命ずることができる。
(地盤沈下の防止)
第二十三条 知事は、地盤沈下に起因する震災を防止するため、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成十二年東京都条例第二百十五号)の定めるところにより、地下用水について揚水の抑制に努めなければならない。
第四節 火災の防止等
(火災の防止)
第二十四条 知事は、地震による火災の発生及びその拡大を防止するため必要な施策を区市町村と連携を図りつつ、協力して積極的に推進するよう努めなければならない。
(初期消火)
第二十五条 都民は、火気を使用するときは、出火を防止するため、常時監視するとともに地震時の出火に備え、消火器等を配備し、初期消火に努めなければならない。
(火気使用器具の規制)
第二十六条 知事は、地震時に出火の危険性の高い設備及び器具の安全を確保し、出火を防止するため、その技術の開発及び普及啓発に努めるとともに、使用及び取扱いについて、火災予防条例(昭和三十七年東京都条例第六十五号)の定めるところにより、必要な規制を行わなければならない。
(消防水利の確保及び消防力の強化)
第二十七条 知事は、地震による火災の拡大を防止するため、区市町村と連携を図りつつ、協力して消防水利の確保及び消防力の強化に努めなければならない。
2 知事は、その管理する公共施設及び特殊建築物を整備するときは、防火水槽又はこれに類する施設の設置に努めなければならない。
(建築物の不燃化)
第二十八条 知事は、地震による出火を防止するため、住宅その他の建築物の不燃化の促進に努めなければならない。
2 消防法第九条の三の指定可燃物その他指定可燃物に類する物品を取り扱う事業者は、その取り扱う施設の不燃化に努めなければならない。
(延焼遮断帯の整備)
第二十九条 知事は、地震による火災の拡大を防止するため、区市町村と連携を図りつつ、協力して延焼遮断帯(火災の拡大を防止する目的で設けられる道路、河川、鉄道、公園等の都市施設及びこれらと近接する不燃化された建築物等により構成される不燃空間をいう。)の整備に努めなければならない。
(危険物取扱施設の安全の確保)
第三十条 知事は、消防法第二条第七項の危険物、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第二条の高圧ガスその他これらに類する危険物を取り扱う施設の安全性について、調査し、研究し、及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
(有害物取扱施設の安全の確保)
第三十一条 知事は、毒物、劇物、病原体及び毒素類、放射性物質その他これらに類する有害物を取り扱う施設の安全性について、調査し、研究し、及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
第五節 防災広報及び防災教育
(防災広報)
第三十二条 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力して、防災に関する広報活動を積極的に実施し、都民の防災知識の向上及び防災意識の高揚に努めなければならない。
(防災教育)
第三十三条 都は、区市町村と連携を図りつつ、協力して、学校教育、社会教育等を通じて防災教育の充実に努め、並びに区市町村が次条から第三十六条までの防災組織及び地域の団体等を通じて行う防災教育に対し、支援及び協力を行うよう努めなければならない。
第六節 防災組織
(防災市民組織)
第三十四条 知事は、区市町村が行う地域の自主的な防災市民組織の育成に対し、支援及び協力を行い、その充実が図られるよう努めなければならない。
(施設の防災組織)
第三十五条 事業者は、その管理する施設の防災組織の育成に努めなければならない。
(業種別の防災組織)
第三十六条 危険物、毒物、劇物、火薬類その他これらに類する物を取り扱う施設又は設備を管理する者は、業種別の防災組織の組織化に努めなければならない。
(防災リーダーの育成)
第三十七条 知事は、第三十四条の防災市民組織及び第三十五条の施設の防災組織の活動の促進を図るため、区市町村及び事業者と連携を図りつつ、協力してこれらの組織における防災リーダー(これらの組織の行う出火防止、初期消火、救出及び応急手当等の震災対策活動において、適切な指示を与える等中心的役割を担う者をいう。以下この条において同じ。)の育成に努めるとともに、区市町村が行う防災リーダーの育成に対して、支援及び協力を行うよう努めなければならない。
第七節 地域における相互支援ネットワークづくり
第三十八条 知事は、震災時に、支援活動を行う団体等が効果的な活動を行う環境を整備するため、区市町村が行う地域相互支援ネットワーク(当該区市町村の区域で活動する団体等が相互に連携し、補完し合うことにより、被災者に対して必要な支援活動を一体的に、かつ、効果的に行う仕組みをいう。)の育成の促進に必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
第八節 ボランティアへの支援
第三十九条 知事は、ボランティアによる被災者に対する支援活動の円滑な実施を確保するため、区市町村と連携を図りつつ、協力して資器材の提供、活動拠点の提供等必要な支援を行うよう努めなければならない。
2 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力してボランティアの育成に努めなければならない。
第九節 要援護者に対する施策
第四十条 知事は、区市町村が行う寝たきりの状態にある高齢者、障害者、外国人等震災時に援護を要する者に対する施策の促進に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第十節 防災訓練
(防災訓練の実施)
第四十一条 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力して防災訓練を積極的に行わなければならない。
2 前項に規定する防災訓練に参加した者が、当該防災訓練により死亡し、又は傷害を受けたときの補償については、東京都規則(以下「規則」という。)の定めるところによる。
(防災組織の訓練)
第四十二条 第三十四条から第三十六条までの防災組織の責任者は、震災の発生に備え、防災訓練を実施しなければならない。
2 前項の防災訓練を実施するときは、初期消火訓練、避難訓練、救出及び救助訓練並びに応急救護訓練について、特に配慮しなければならない。
3 知事は、第一項の防災組織が行う訓練に、職員の派遣を行うこと等により協力をするよう努めなければならない。
第十一節 都民等の意見
第四十三条 都民等及び防災組織は、地域の安全性について常に監視し、地震に対して危険性のあるものについて知事に意見を述べることができる。
2 都民は、第四十七条の規定による避難場所の指定について、知事に意見を述べることができる。
3 知事は、前二項の規定により都民等及び防災組織の意見を聴いたときは、これを施策に反映するよう努めなければならない。
第三章 応急対策
第一節 応急体制等の整備
(災害応急体制の整備)
第四十四条 知事は、震災時における避難並びに救出及び救助を円滑に行うため必要な体制の確立及び資器材の整備に努めなければならない。
2 知事は、前項に規定するもののほか、救助活動を円滑に行うため必要な給水及び備蓄のための施設の整備に努めなければならない。
(情報連絡体制の整備等)
第四十五条 知事は、震災の発生に備え、あらかじめ、震災に関する情報の収集及び連絡の体制を整備し、並びに震災時に的確な情報を都民に周知する方法を講じなければならない。
(他団体への協力要請の方法)
第四十六条 知事は、震災の発生に備え、あらかじめ震災に関する情報の収集及び伝達に必要な他の地方公共団体その他の公共的団体等への協力要請の方法を確立しておかなければならない。
第二節 避難
(避難場所の指定)
第四十七条 知事は、震災時に拡大する火災から都民を安全に保護するため、広域的な避難を確保する見地から必要な避難場所をあらかじめ指定しなければならない。ただし、火災の拡大するおそれのない地区については、避難場所を指定しないことができる。
2 知事は、公営住宅を建設するときは、広場の確保に留意し、その防災機能の充実に努めなければならない。
(避難道路の指定)
第四十八条 知事は、広域的な避難を確保する見地から震災時に都民が避難場所に安全に避難するため必要な避難道路をあらかじめ指定しなければならない。
(避難場所及び避難道路周辺の不燃化)
第四十九条 知事は、避難場所及び避難道路の周辺に存する建築物その他の工作物の不燃化の促進に努めなければならない。
(避難誘導方法の確立)
第五十条 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力して震災の発生に備え、あらかじめ避難誘導の方法を確立しておかなければならない。
(車両による避難の禁止)
第五十一条 都民は、震災時に避難するときは、路上の混乱と危険を防止するため、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第八号の車両(以下「車両」という。)を使用してはならない。
2 震災時に走行中の車両の運転者は、当該震災時に行われる交通規制を遵守しなければならない。
第三節 救出及び救助の活動拠点等の確保
第五十二条 知事は、震災時において、被災者の救出及び救助並びに都民生活の再建及び都市の復興を円滑に行うため、その活動拠点等となる土地及び家屋の確保に努めなければならない。
2 知事は、前項の土地及び家屋の利用について、利用計画を作成し、必要があると認めるときは、これを修正するものとする。
3 前項の利用計画の作成及び実施に当たっては、知事は、国及び区市町村との調整に努めなければならない。
4 知事は、震災時に、災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)第九条第一項又は災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第七十一条第一項の規定による土地又は家屋の円滑な使用を確保するため、あらかじめ当該土地又は家屋を救出及び救助の活動拠点として指定することができる。この場合において、知事は、当該土地又は家屋を所有し、及び管理する者に対し、災害救助法及び災害対策基本法の規定その他必要な事項を説明し、協力を求めるものとする。
(平二五条例一一四・一部改正)
第四節 帰宅困難者対策
(帰宅困難者の事前準備)
第五十三条 事業所、学校等に通勤し、通学し、又は買物その他の理由により来店し、若しくは来所する者等で徒歩により容易に帰宅することが困難なもの(以下「帰宅困難者」という。)は、震災時における帰宅に係る安全を確保するため、あらかじめ徒歩による帰宅経路の確認、家族との連絡手段の確保その他必要な準備を行うよう努めなければならない。
(帰宅困難者対策の実施)
第五十四条 知事は、震災時における帰宅困難者の帰宅に係る混乱を防止するため、あらかじめ区市町村並びに都の区域に近接する県及び市町村と連携を図りつつ、協力して帰宅困難者の円滑な帰宅を確保する対策を行うよう努めなければならない。
第四章 復興対策
第一節 震災復興の推進
(平一五条例一二四・節名追加)
(震災復興体制の確立)
第五十五条 知事は、震災により重大な被害を受けた場合で、速やかに計画的な都市の復興等を図るため必要と認めるときは、東京都震災復興本部の設置に関する条例(平成十年東京都条例第七十七号)に基づく体制をとるものとする。
(震災復興計画の策定及び震災復興事業の推進)
第五十六条 知事は、前条に規定する場合は、広域的な復興を推進する見地から、速やかに震災復興計画を策定しなければならない。
2 知事は、前項の計画に基づいて震災復興事業の推進に努めなければならない。
3 知事は、第一項の震災復興計画の策定及び前項の震災復興事業の実施を円滑に推進するため、あらかじめ震災復興に関する施策及び手続を定めることができる。この場合において、知事は、当該施策及び手続を都民に周知しなければならない。
4 知事は、震災復興計画の策定及び震災復興事業の推進に当たり、区市町村との調整に努めなければならない。
(平一五条例一二四・一部改正)
第二節 地域協働復興
(平一五条例一二四・追加)
(地域協働復興に対する理解の促進等)
第五十七条 知事は、地域協働復興(震災後において、都民が相互に協力し、事業者、ボランティア及び知事その他の行政機関との協働により、自主的に自らの生活の再建及び居住する地域の復興を進めることをいう。以下同じ。)に対する都民等の理解を深めるよう努めるとともに、都民の自発的な意思に配慮して、地域協働復興に関する活動を促進しなければならない。
(平一五条例一二四・追加)
(復興市民組織)
第五十八条 知事は、区市町村が行う復興市民組織(地域協働復興に関する活動を行う市民組織をいう。以下同じ。)の育成に対し、支援及び協力を行い、その充実が図られるよう努めなければならない。
2 知事は、地域協働復興に関する活動の円滑な実施を確保するため、区市町村と連携を図りつつ、協力して、復興市民組織に対し、情報の提供、相談体制の充実、資器材の提供等必要な支援を行うよう努めなければならない。
(平一五条例一二四・追加)
第五章 委任
第五十九条 この条例の施行に必要な事項は、規則で定める。
(平一五条例一二四・旧第五十七条繰下)
附 則
この条例は、平成十三年四月一日から施行する。
附 則(平成一五年条例第一二四号)
この条例は、平成十六年四月一日から施行する。
附 則(平成二五年条例第一一四号)
この条例は、災害対策基本法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第五十四号)第三条の規定の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
(施行の日=平成二五年一〇月一日)