○東京都文化財保護条例
昭和五一年三月三一日
条例第二五号
東京都文化財保護条例を公布する。
東京都文化財保護条例
東京都文化財保護条例(昭和三十年東京都条例第十八号)の全部を改正する。
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 都指定有形文化財(第四条―第十九条)
第三章 都指定無形文化財(第二十条―第二十五条)
第四章 都指定有形民俗文化財・都指定無形民俗文化財(第二十六条―第三十二条)
第五章 都指定史跡旧跡名勝天然記念物(第三十三条―第三十六条)
第六章 都選定保存技術(第三十七条―第四十一条)
第七章 埋蔵文化財(第四十二条―第四十六条)
第八章 東京都文化財保護審議会(第四十七条―第五十六条)
第九章 区市町村教育委員会(第五十七条・第五十八条)
第十章 雑則(第五十九条―第六十一条)
第十一章 罰則(第六十二条―第六十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号。以下「法」という。)第百八十二条第二項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で東京都(以下「都」という。)の区域内に存するもののうち、都にとつて重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もつて都民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(平一七条例三九・一部改正)
(定義)
第二条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
一 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
二 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
三 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
四 貝づか、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(平一八条例四〇・一部改正)
(都等の責務)
第三条 都並びに特別区及び市町村は、文化財が我が国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存と活用が適切に行われるよう努めなければならない。
2 都民は、都がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
3 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
4 東京都教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たつては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第二章 都指定有形文化財
(指定)
第四条 教育委員会は、都の区域内に存する有形文化財(法第二十七条第一項の規定により重要文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち、都にとつて重要なものを東京都指定有形文化財(以下「都指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者の判明しない場合は、この限りでない。
3 第一項の規定による指定は、その旨を東京都公報(以下「都公報」という。)で告示するとともに、当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。
5 第一項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該都指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第五条 都指定有形文化財が都指定有形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 都指定有形文化財について法第二十七条第一項の規定による重要文化財の指定があつたときは、当該都指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を都公報で告示するとともに、当該都指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第六条 都指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこの条例に基づいて定める東京都教育委員会規則(以下「教育委員会規則」という。)及びこの条例に基づいてする教育委員会の指示に従い、都指定有形文化財を管理しなければならない。
2 都指定有形文化財の所有者は、特別の事由があるときは、専ら自己に代わり当該都指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者には、第一項の規定を準用する。
(所有者の変更等)
第七条 都指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 都指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第八条 都指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第九条 都指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合には、届出を要せず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。
(管理又は修理の補助)
第十条 都指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、都は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
一 管理又は修理に関し法令に違反したとき。
二 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
三 前条第二項の補助の条件に従わなかつたとき。
(管理又は修理に関する勧告)
第十二条 都指定有形文化財の管理が適当でないため当該都指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認められるときは、教育委員会は、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 都指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、教育委員会は、所有者に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
3 前二項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を都の負担とすることができる。
2 前項に規定する「補助金又は負担金の額」とは、補助金又は負担金の額を、補助又は費用負担に係る修理等を施した都指定有形文化財につき教育委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行つた時以後当該都指定有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(一年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。
3 補助又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該都指定有形文化財を都に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、都は、第一項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。
(現状変更等の制限)
第十四条 都指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
2 都指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。
(公開)
第十六条 教育委員会は、都指定有形文化財の所有者に対し、六箇月以内の期間を限つて、教育委員会の行う公開の用に供するため当該都指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、都指定有形文化財の所有者に対し、三箇月以内の期間を限つて、当該都指定有形文化財の公開を勧告することができる。
4 都は、第一項の規定により出品した所有者に対し、謝礼金を支給することができる。
5 教育委員会は、第一項の規定により都指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該都指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
6 教育委員会は、第二項の規定による公開及び当該公開に係る都指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。
(調査)
第十八条 教育委員会は、必要があると認めるときは、都指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該都指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第十九条 都指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該都指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には、旧所有者は、当該都指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第三章 都指定無形文化財
(指定)
第二十条 教育委員会は、都の区域内に存する無形文化財(法第七十一条第一項の規定により重要無形文化財に指定されたものを除く。)のうち都にとつて重要なものを東京都指定無形文化財(以下「都指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該都指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 第一項の規定による指定は、その旨を都公報で告示するとともに、当該都指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知してする。
4 教育委員会は、第一項の規定による指定をした後においても、当該都指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(平一七条例三九・一部改正)
(解除)
第二十一条 都指定無形文化財が都指定無形文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。
4 都指定無形文化財について法第七十一条第一項の規定による重要無形文化財の指定があつたときは、当該都指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 前項の場合には、教育委員会は、その旨を都公報で告示するとともに、当該都指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
6 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、都指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。この場合、教育委員会は、その旨を都公報で告示しなければならない。
(平一七条例三九・一部改正)
(保持者の氏名変更等)
第二十二条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときその他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について、同様とする。
(保存)
第二十三条 教育委員会は、都指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、都指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保持のため適当な措置を執ることができるものとし、都は保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第二十四条 教育委員会は、都指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し都指定無形文化財の公開を、都指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
3 都は、第一項の規定による都指定無形文化財の記録の公開に要する費用の一部を予算の範囲内で負担することができる。
(保存に関する助言等)
第二十五条 教育委員会は、都指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第四章 都指定有形民俗文化財・都指定無形民俗文化財
(指定)
第二十六条 教育委員会は、都の区域内に存する有形の民俗文化財(法第七十八条第一項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち、都にとつて重要なものを東京都指定有形民俗文化財(以下「都指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(同項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち、都にとつて重要なものを東京都指定無形民俗文化財(以下「都指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
3 第一項の規定による都指定無形民俗文化財の指定は、その旨を都公報で告示してする。
(平一七条例三九・一部改正)
(解除)
第二十七条 都指定有形民俗文化財又は都指定無形民俗文化財が都指定有形民俗文化財又は都指定無形民俗文化財としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
3 第一項の規定による都指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を都公報で告示してする。
4 都指定有形民俗文化財又は都指定無形民俗文化財について、法第七十八条第一項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があつたときは、当該都指定有形民俗文化財又は当該都指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
6 第四項の場合の都指定無形民俗文化財の指定の解除については、教育委員会は、その旨を都公報で告示しなければならない。
(平一七条例三九・一部改正)
(都指定有形民俗文化財の保護)
第二十八条 都指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 都指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(都指定無形民俗文化財の保存)
第三十条 教育委員会は、都指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、都指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、都は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保持に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(都指定無形民俗文化財の記録の公開)
第三十一条 教育委員会は、都指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(都指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第三十二条 教育委員会は、都指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第五章 都指定史跡旧跡名勝天然記念物
(指定)
第三十三条 教育委員会は、都の区域内に存する記念物(法第百九条第一項の規定により、史跡、名勝又は天然記念物に指定されたものを除く。)のうち、都にとつて重要なものを、東京都指定史跡(以下「都指定史跡」という。)、東京都指定旧跡(以下「都指定旧跡」という。)、東京都指定名勝又は東京都指定天然記念物(以下「都指定天然記念物」という。)(以下これらを「都指定史跡旧跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(平一七条例三九・一部改正)
(解除)
第三十四条 都指定史跡旧跡名勝天然記念物が都指定史跡旧跡名勝天然記念物としての価値を失つた場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 都指定史跡旧跡名勝天然記念物について法第百九条第一項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定があつたときは、当該都指定史跡旧跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
(平一七条例三九・一部改正)
第六章 都選定保存技術
(選定等)
第三十七条 教育委員会は、都の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(法第百四十七条第一項の規定により、選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち、都として保存の措置を講ずる必要があるものを東京都選定保存技術(以下「都選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による選定をするに当たつては、都選定保存技術の保持者又は保存団体(都選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 一の都選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。
(平一七条例三九・一部改正)
(解除)
第三十八条 教育委員会は、都選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなつた場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。
2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。
4 都選定保存技術について法第百四十七条第一項の規定による選定保存技術の選定があつたときは、当該都選定保存技術の選定は、解除されたものとする。
(平一七条例三九・一部改正)
(保存)
第四十条 教育委員会は、都選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、都選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、都は、保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(保存に関する指導又は助言)
第四十一条 教育委員会は、都選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。
第七章 埋蔵文化財
(平一一条例一二二・追加)
(教育委員会が処理する事務)
第四十二条 法第百八十四条第一項第六号の規定により教育委員会が行う土地に埋蔵されている文化財(以下「埋蔵文化財」という。)、埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)及び遺跡の発見に係る事務に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(平一一条例一二二・追加、平一七条例三九・一部改正)
(文化財の所有権の帰属)
第四十三条 法第百五条第一項の規定により都にその所有権が帰属した文化財は、法第百七条第一項の規定により当該文化財の発見者又はその発見された土地の所有者に譲与する場合を除き、当該文化財が発見された土地を管轄する特別区又は市町村(以下「区市町村」という。)にその所有権を帰属させることができる。
(平一一条例一二二・追加、平一七条例三九・一部改正)
(文化財の報償金等)
第四十四条 法第百五条第一項及び第三項の規定により教育委員会が行う報償金等に係る事務に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(平一一条例一二二・追加、平一七条例三九・一部改正)
(文化財の譲与等)
第四十五条 法第百五条第一項の規定により都にその所有権が帰属した文化財(法第百七条第一項の規定により譲与した場合又は第四十三条の規定により区市町村の帰属とした場合を除く。)について、教育委員会は、当該文化財の発見された土地を管轄する区市町村その他教育委員会が適当と認める団体に対し、その申請に基づき、当該文化財を譲与し、又は時価よりも低い対価で譲渡することができる。
(平一一条例一二二・追加、平一七条例三九・一部改正)
(周知の埋蔵文化財包蔵地)
第四十六条 教育委員会は、埋蔵文化財を包蔵すると認められる土地について、周知の埋蔵文化財包蔵地と認めることができる。
2 前項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に係る事務に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(平一一条例一二二・追加)
第八章 東京都文化財保護審議会
(平一一条例一二二・旧第七章繰下)
(設置)
第四十七条 法第百九十条の規定に基づき、教育委員会に、東京都文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(平一一条例一二二・旧第四十二条繰下、平一七条例三九・一部改正)
(所掌事務)
第四十八条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議し、並びにこれらの事項について教育委員会に建議する。
(平一一条例一二二・旧第四十三条繰下)
(審議会への諮問)
第四十九条 教育委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。
一 都指定有形文化財の指定及びその指定の解除
二 都指定無形文化財の指定及びその指定の解除
三 都指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその認定の解除
四 都指定有形民俗文化財又は都指定無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
五 都指定史跡旧跡名勝天然記念物の指定及びその指定の解除
六 都選定保存技術の選定及びその選定の解除
七 都選定保存技術の保持者又は保存団体の認定及びその認定の解除
八 前各号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める事項
(平一一条例一二二・旧第四十四条繰下)
(組織)
第五十条 審議会は、委員二十人以内で組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
(平一一条例一二二・旧第四十五条繰下)
(委員の選任)
第五十一条 委員及び臨時委員は、文化財に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから教育委員会が委嘱する。
(平一一条例一二二・旧第四十六条繰下)
(委員の任期)
第五十二条 委員の任期は、二年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わつたとき退任するものとする。
(平一一条例一二二・旧第四十七条繰下)
(会長及び副会長)
第五十三条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(平一一条例一二二・旧第四十八条繰下)
(招集)
第五十四条 審議会は、会長が招集する。
(平一一条例一二二・旧第四十九条繰下)
(議事)
第五十五条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。
2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(平一一条例一二二・旧第五十条繰下)
(部会)
第五十六条 審議会に専門的事項を調査研究するため部会を置くことができる。
(平一一条例一二二・旧第五十一条繰下)
第九章 区市町村教育委員会
(平一一条例一二二・追加)
(区市町村教育委員会が処理する事務)
第五十七条 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第五十五条第一項の規定に基づき、教育委員会の権限に属する事務のうち、次に掲げる事務を区市町村(第二号に掲げる事務は区市に限る。)が処理することとする。
一 法及びこの条例の規定により文化財に関し教育委員会に提出すべき届書その他の書類及び物件の受理
(平一一条例一二二・追加)
(区市町村教育委員会の意見具申)
第五十八条 教育委員会は、前条第一号の事務を処理する区市町村教育委員会に対し、当該届書その他の書類及び物件に関し意見を求めるものとする。
(平一一条例一二二・追加)
第十章 雑則
(平一一条例一二二・旧第八章繰下)
(標識等の設置)
第五十九条 教育委員会は、都指定有形文化財、都指定有形民俗文化財又は都指定史跡旧跡名勝天然記念物のうち、都民の観覧のため必要があると認めるものについては、当該都指定の文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得て、標識又は説明板を設置し、これを当該都指定の文化財の所有者、権原に基づく占有者又は管理責任者に管理させることができる。
(平一一条例一二二・旧第五十二条繰下)
(記録の作成等)
第六十条 教育委員会は、都指定無形文化財及び都指定無形民俗文化財以外の無形文化財(法第七十一条第一項の規定により重要無形文化財に指定されたものを除く。)及び無形の民俗文化財(法第七十八条第一項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち、特に必要があると認めるものについて、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、都は、適当な者に対し当該無形文化財又は当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(平一一条例一二二・旧第五十三条繰下、平一七条例三九・一部改正)
(施行規則)
第六十一条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(平一一条例一二二・旧第五十四条繰下)
第十一章 罰則
(平一一条例一二二・旧第九章繰下)
(刑罰)
第六十二条 都指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。
(平一一条例一二二・旧第五十五条繰下)
第六十三条 都指定史跡旧跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、五万円以下の罰金又は科料に処する。
(平一一条例一二二・旧第五十六条繰下)
(平一一条例一二二・旧第五十七条繰下)
第六十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
(平一一条例一二二・旧第五十八条繰下)
附則
(施行期日)
1 この条例は、昭和五十一年七月一日から施行する。
(東京都文化財専門委員の設置に関する条例の廃止)
2 東京都文化財専門委員の設置に関する条例(昭和二十七年東京都条例第二十六号)は、廃止する。
上欄 | 下欄 |
都重宝 | 都指定有形文化財 |
都技芸のうち工芸技術に係るもの | 都指定無形文化財 |
都技芸のうち郷土芸能に係るもの | 都指定無形民俗文化財 |
都郷土資料 | 都指定有形民俗文化財 |
都史跡 | 都指定史跡 |
都旧跡 | 都指定旧跡 |
都天然記念物 | 都指定天然記念物 |
4 この条例の施行の際、現に改正前の条例附則第二項ただし書の規定により、都旧跡とみなされているものについては、当分の間、都指定旧跡とみなす。
6 この条例の施行の際、現に改正前の条例第九条の規定により設置されている標識又は説明板は、第五十二条の規定により設置された標識又は説明板とみなす。
8 改正前の条例第十四条の規定によりなされた許可は、当該許可に係る現状の変更が完了するまでなお効力を有する。
9 この条例の施行前に、改正前の条例第十五条の規定により管理、修理又は復旧に関し、補助金の交付を受けている都文化財の有償譲渡の場合の納付金の納付については、なお従前の例による。
10 この条例の施行前になした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(東京都屋外広告物条例の一部改正)
11 東京都屋外広告物条例(昭和二十四年東京都条例第百号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(東京における自然の保護と回復に関する条例の一部改正)
12 東京における自然の保護と回復に関する条例(昭和四十七年東京都条例第百八号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(東京における自然の保護と回復に関する条例の一部改正に伴う経過措置)
13 この条例の施行の際、現に改正前の条例第十四条の許可を受けた者が着手し、又は着手しようとしている当該許可に係る変更行為は、この条例による改正後の東京における自然の保護と回復に関する条例第三十九条ただし書の規定の適用については、第十四条(第三十六条において準用する場合を含む。)の許可を受けた者が行う当該許可に係る変更行為とみなす。
附則(平成一一年条例第一二二号)
この条例は、平成十二年四月一日から施行する。
附則(平成一七年条例第三九号)
この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
附則(平成一八年条例第四〇号)
この条例は、平成十八年四月一日から施行する。